【 自治会費 ・ 神社費支出 】 私の自治会では、会計から地元の神社へ毎年200万円支出しています。神社の係も住民というだけで強制的に担当させられます。信教の自由を認める憲法に違反しているのでは。 愛知県の自営業男性(52)
※ 続編 https://sekimori2.blogspot.com/2023/11/27b.html (2023/1127 追記)
記事:自治会費から神社費支出「信教の自由」に反する? 持続可能なあり方とは、https://www.chunichi.co.jp/article/794140
【事例】
私の自治会では、会計から地元の神社へ毎年200万円支出しています。神社の係も住民というだけで強制的に担当させられます。信教の自由を認める憲法に違反しているのでは。 愛知県の自営業男性(52)
男性が住む市では1987年12月、自治会の連合組織が「信教の自由」を前提に神社費に対する見解を提示。(1)自治会と氏子は別々に組織する(2)神社会計は独立して編成し、自治会会計から支出はしない(3)自治会組織を利用して神社に対する寄付集めなどはしない-との対応策を示した。
市はこの見解を自治会運営の手引書に掲載し、毎年自治会長に配布。今年9月の市議会定例会の一般質問でも男性が指摘する問題が取り上げられたことを受け、今月10日には全自治会の会長に注意を促す文書を送った。市の担当者は「慣例になっているのは分かるが、過去にも問題になってきた。変えてもらわないといけない」と話す。
これに対し、自治会長の男性は「自治会費の集め方を見直さないといけない時期に来ているのは分かっている」としつつ、「常駐の宮司がいるわけではなく、神社が独自で集めるのは難しい。今の形を変えれば神社の運営が立ちゆかなくなる」と頭を悩ませる。
【範例】
自治会と神社の関係性を巡っては、佐賀地裁が2002年、神社に関わる費用と自治会費を一括徴収する方法を「憲法の信教の自由などの趣旨に反して違法」と判断。京都の時代祭に対する自治会費からの支出が問題となった京都地裁での訴訟でも今年3月、今後は自治会費からの支出を取りやめることで住民と自治会の和解が成立した。
※ その他 2件
【地域の実態踏まえ議論を】
自治会の問題に詳しい中田実・名古屋大名誉教授(社会学)の話 信教の自由に照らせば、自治会が神社の運営に関わるのはおかしいが、神社は地域の氏神でもあり、地域として神社を支えてきた実態がある。信教の自由に反するというだけで否定するのは無理がある。
ただ、問題だと考える住民がいる以上、解消するには自治会とは別に氏子組織をつくり、会計も切り離すしかない。自治会費を減らす代わりに神社への寄付をお願いするのも一つの方法だ。地域の神社をどうしていくかはまた別に議論していくべきだろう。
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