2022年12月16日金曜日

(22CGa) 神戸いのちの電話相談員(1)誰かの声に、ひたすら耳を傾け

 【 神戸いのちの電話 ・ 耳を傾ける 】ある日の深夜、相談員の女性が席に座った。 「はい、神戸いのちの電話です」。まず、そう言うように決まっている。 「あなたの思っていることを、どうぞお話しください」と言葉をつなぐ。  


【情報発信者より】

 ランプが赤く点滅する。着信の合図だ。相談員が集中できるようコール音はあえて鳴らさない。受話器を上げる。ランプは緑に光り、通話中を示した。

 神戸いのちの電話の事務所。小さな部屋に仕切りを挟んで机が並び、電話機が1台ずつ置かれている。

 ある日の深夜、相談員の女性が席に座った。

 「はい、神戸いのちの電話です」。まず、そう言うように決まっている。

 「あなたの思っていることを、どうぞお話しください」と言葉をつなぐ。静まりかえった部屋に相づちがこだまする。「うん、うん」「それはつらかったね」

 

 ここで受ける電話は年約1万件。相手は顔も名前も知らない誰か。ただ一つ分かっているのは、一人で背負い切れない何かを、きっと抱えているということ。

 

 秘密は必ず守る。かける人にもそう公言する。「電話の内容は言えません。相談してくれた人が、自分のことかなと不安になるかもしれないので」。ある相談員は取材にもそう応じた。

 相手の名前は尋ねず、自らも名乗らない。相談員だと明かしてはならず、事務所の場所も伏せる。知らない誰かになら打ち明けられることがあるから。

 宮里哲秀事務局長は言った。「専門家のカウンセリングではない。同じように悩み苦しむ、そこらへんにいる一人の人間が聞くということに意味がある」

 

 「死にたい」「ただ誰かと話したい」。さまざまな思いを打ち明けられる。新型コロナウイルス禍では、孤独を訴える人が増えた。「非正規雇用で解雇された」という声も絶えない。

 

<参考URL> 神戸いのちの電話

https://kobe-lifeline.org/

 

<情報源>

【情報源タイトル】 受話器の向こう~神戸いのちの電話相談員(1)やまない着信 誰かの声に、ひたすら耳を傾け

【情報出所URL】 https://www.kobe-np.co.jp/news/kobe/202212/0015894274.shtml

【情報発信元】 神戸新聞NEXT  2022/12/16 05:30




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