【 神戸いのちの電話 ・ 耳を傾ける 】ある日の深夜、相談員の女性が席に座った。 「はい、神戸いのちの電話です」。まず、そう言うように決まっている。 「あなたの思っていることを、どうぞお話しください」と言葉をつなぐ。
【情報発信者より】
ランプが赤く点滅する。着信の合図だ。相談員が集中できるようコール音はあえて鳴らさない。受話器を上げる。ランプは緑に光り、通話中を示した。
神戸いのちの電話の事務所。小さな部屋に仕切りを挟んで机が並び、電話機が1台ずつ置かれている。
ある日の深夜、相談員の女性が席に座った。
「はい、神戸いのちの電話です」。まず、そう言うように決まっている。
「あなたの思っていることを、どうぞお話しください」と言葉をつなぐ。静まりかえった部屋に相づちがこだまする。「うん、うん」「それはつらかったね」
ここで受ける電話は年約1万件。相手は顔も名前も知らない誰か。ただ一つ分かっているのは、一人で背負い切れない何かを、きっと抱えているということ。
秘密は必ず守る。かける人にもそう公言する。「電話の内容は言えません。相談してくれた人が、自分のことかなと不安になるかもしれないので」。ある相談員は取材にもそう応じた。
相手の名前は尋ねず、自らも名乗らない。相談員だと明かしてはならず、事務所の場所も伏せる。知らない誰かになら打ち明けられることがあるから。
宮里哲秀事務局長は言った。「専門家のカウンセリングではない。同じように悩み苦しむ、そこらへんにいる一人の人間が聞くということに意味がある」
「死にたい」「ただ誰かと話したい」。さまざまな思いを打ち明けられる。新型コロナウイルス禍では、孤独を訴える人が増えた。「非正規雇用で解雇された」という声も絶えない。
<参考URL> 神戸いのちの電話
<情報源>
【情報源タイトル】 受話器の向こう~神戸いのちの電話相談員(1)やまない着信 誰かの声に、ひたすら耳を傾け
【情報出所URL】 https://www.kobe-np.co.jp/news/kobe/202212/0015894274.shtml
【情報発信元】 神戸新聞NEXT 2022/12/16 05:30
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