2021年9月2日木曜日

(2192b) 阪急電鉄は、1998年まで須磨浦公園まで乗り入れていた

 【 山陽電鉄 ・ 乗り入れ 】 1998(平成10)年にダイヤ改正。阪急は須磨浦公園への、山陽は六甲への乗り入れを中止し、事実上阪急・山陽の相互直通運転は終了しました。一方、阪神は相互直通運転を継続、強化しました。各々の事情は?


【山陽と阪急】

 阪急と山陽の相互直通運転が開始されたのは神戸高速鉄道が開業した1968(昭和43)年のこと。阪急電鉄は、山陽電気鉄道の須磨浦公園まで、山陽電鉄は六甲まで乗り入れていました。

 1998(平成10)年のダイヤ改正により、阪急は須磨浦公園への乗り入れを中止し、新開地までとなりました。また山陽は三宮までの乗り入れとなり、事実上阪急・山陽の相互直通運転は終了しました。

 

 中止の背景には両数の問題があります。山陽電鉄線内は6両編成が限界です。一方、現在の阪急神戸本線は8両編成を基本とし、朝ラッシュ時間帯は10両編成も運行されます。6両編成では阪急神戸本線の混雑に対応することができず、混雑解消のネックになっていました。

 もう一つの難しさは、当時の日中ダイヤは阪急が10分間隔、阪神が12分間隔、山陽が15分間隔とバラバラで、神戸高速線内の時間調整のための長時間停車は一種の「名物」でした。この状況で相互乗り入れするのは、とても大変です。

 

【山陽と阪神】

 阪神も須磨浦公園まで、山陽は大石まで乗り入れていました。相互直通運転区間の東端は神戸市灘区にある大石駅、西端は須磨区にある須磨浦公園駅になり、おおよそ神戸市電の全盛期の東端、西端に一致します。

 さらに、1998(平成10)年のダイヤ改正により、阪神梅田(現 大阪梅田)~山陽姫路間にて「直通特急」の運行を開始。大阪梅田と姫路が結ばれ、現在に至っています。また阪神は現在でも特急須磨浦公園行きを運行しています。

 

 阪神は、平日は全列車が6両編成、土曜・休日はほぼ全ての列車が8両編成で運行されています。土曜・休日をどうしているか知りませんが、阪急よりは両数の問題は小さいようです。

 また、東進する阪神は、梅田行きとは別に、尼崎で分かれて西九条まで行っていたのが、さらに伸びて大阪難波まで入り、さらに近鉄との相互乗り入れを始めました。

 現在の阪神は、阪神本線は神戸と姫路を結ぶ山陽、奈良から来る近鉄と相互直通運転を実施しています。両方を合わせると、姫路~奈良が一本の線で繋がっています。阪神としては、これが「売り」になるのでしょう。さらに、近鉄は、名古屋、伊勢方面にも運行しています。

 

【試算】

 因みに、須磨から名古屋までをYahoo路線情報で調べてみました。お金は2/3だけれど、倍の時間がかかるようです(大阪難波までに時間がかかる)。

須磨 ~ 神戸三宮 ~(阪神尼崎)~ 大阪難波 75分 590

大阪難波 ~ 近鉄名古屋 125分 4,540円(近鉄特急券を含む)

 

須磨 ~ 三ノ宮 ~ 新神戸 ~ 名古屋 105分 7,680円(新幹線特急券を含む)

 

<出典>

「阪急電車が山陽電鉄に乗り入れていたなんて…本当ですか?」相互直通運転が中止となった“切実”な理由

https://news.yahoo.co.jp/articles/0b1d65ccb6961ce57d3db1f0714c7d88a5c25cb9

 

車両の長さも、連結する数も違う!相互直通運転は苦労がいっぱい 山陽・近鉄の電車が乗り入れる阪神本線

https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/omoshiro/202104/0014273643.shtml

 

添付写真は、

https://maidonanews.jp/article/14427215




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